コラム〜垂水を盛る〜

塩屋漁港でとれたての鯖

鮮度の良さは漁師さんからの直接仕入れ

漁師さんと大将

私、店主中嶋康晴は魚河岸で魚をさばいて数年、旨い魚を知って頂きたく、平成19年8月神戸市垂水区に「ご馳走や黒ひげ」をオープンしました。
 魚は生で食べるか、焼くか煮るか、その日の旨いものを見極めるのは食べもん屋のつとめです。油がのった秋鯖は軽く〆て背の身を炙って食うと、醤油につけたらぱっと油膜が広がって、焼けた皮が芳醇に香ります。そんな旬の刺身で日本酒なんか飲んでもらって「日本人でよかった!」って言って貰いたいんです!
 黒ひげで出す仕入れは基本的に直接地元の漁師さんから分けてもらっています。漁師さんはよく魚の事知っていて、取れたてだから旨いとかではなくて、この時期のここで取れたとか、そんな事を教えてくれるので、店に持って返って捌いてみて、旨い!
 勿論それ以外の仕入れもあるので毎日買い付けに行きますが、やっぱり漁師さんにはかないません。晩春頃から始まる「ハリイカ」なんて仕入れて来るとまだ透明で、夏の「鯵」や「あぶらめ」は造りが最高で、秋は須磨の鯖、造りの他は天婦羅、煮付け、お客さんの好みに合わせますので、こんなんが食べたいとかわがままにメニューに無いものも注文下さい!
 仕入れは毎日漁師さん任せなので同じものが常にあるわけでは無いのですが、そこは満足する食材しかお出ししない私のポリシーなので何卒ご了承下さいませ。その分旨いものを出させて頂いてます。

網の中の鯖

 8月早朝。本日の肴を求め、知り合いの漁師さんの方いる塩屋漁港へ。やはり自然が相手なので揚がるものは日によって変わります。
 この日は鯖。これからの時期どんどん旨くなる旬の食材です。関鯖などブランド魚の登場で鯖は今や高級魚。一般的に安価で手頃ないつでも食べれる食材ではなくなりつつあるようです。ましてや鮮度の高い採れたての鯖など普通はお客様が手にするのは中々困難だと思います。ですが、「美味しい魚をお客様に食べてほしい。」そんな思いで店を始めた私。漁師さんから直接魚を譲って頂く事で最高の食材を手頃な値段で仕入れております。いくら旨くても高かったら食べてもらえませんからね。
 本日の鯖も最高。美しい青と銀。捌く前からもう旨そうです。船の上で野じめをして頂く。これをするとしないでは味の落ち方が変わってくる。丁寧にしめ、血抜きをして頂き、仕入完了です。売り物だと分かっていても勝手にヨダレが出てきます。あぁ、旨そうやわ…。さぁ、早速店に持って帰って捌く事にしましょう!

鯖をしめる

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鮮度の良さは漁師さんからの直接仕入れ

盛りつけ

 先ほどの活きのいい鯖を「旨そう」から「旨い」に変えるのが私の仕事。腕の見せ所です。魚河岸で修行した包丁捌きで丁寧におろしていきます。鯖は焼いても、煮ても旨い魚ですがやっぱり採れたてを味わって頂くには何と言っても刺身が一番。良い魚は包丁を入れただけでも身がプリプリと弾力があるのが分かります。脂の乗りはもう少し秋口になった方がよくなるでしょうが、脂分が苦手な方、サッパリと食べたい方にはちょうど良いのではないでしょうか。
 良い魚は良いお酒と供に。魚を肴に酒を飲む贅沢は格別な物があります。日本酒も良し、焼酎も良し、ビールも良し、意外と赤ワインなんかも最高です。黒ひげでは、様々なお酒をご用意しておりますのでお客様のお口に合う料理とお酒の組み合わせを見つけて頂く のも楽しいかと思います。

刺身
刺身4種盛り

 開業当時は舌の肥えた男集で満員でしたが、たまにお連れさんの奥さんがいらっしゃって、「魚だけでは飽きるだろう・・」と思い創作料理なんか作ってみたところ、気に入って頂いて、奥さんのお連れさん、そのお連れさんのお連れさんがと、口コミで来てくれるようなりまして、今では女性客が7割を占めていています。大変ありがたく思います。

新玉葱

  最近では地のもの使った 野菜なんかもよく注文が出ます。初春限定ですが、淡路の新玉葱を風呂吹き大根風にあっさり炊いて味染みこまさせて、甘味噌の代わりに鶏ひき肉を銀餡仕立てでお出ししていて、白ワインと合うみたいで喜んで頂いております。ご来店お待ちしております。

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